犬猫に必要な予防とは?

ワンちゃん、猫ちゃんを飼う場合には以下の予防と避妊・去勢手術が重要となってきます。必要な予防はワンちゃん、猫ちゃんの年齢や生活環境によってそれぞれ異なります。

犬の4大予防

・混合ワクチン

・狂犬病

・フィラリア

・ノミダニ

猫の3大予防

・混合ワクチン

・ノミダニ

・フィラリア

フィラリア症とは?

 フィラリアとは糸状虫と呼ばれる寄生虫の総称です。犬に影響を及ぼすのはフィラリアの種類の1つである「犬フィラリア」です。犬フィラリアは、犬の肺の血管や心臓に侵入して寄生します。犬フィラリアが体内に入り込み、感染した結果、全身の血液循環や呼吸器、肝臓、腎臓を傷つけて深刻な影響を与えます。最悪の場合は死に至ることもあり、犬の種類や年齢を問わず、感染するリスクがある病気です。

 フィラリアは蚊を媒介して感染します。蚊が犬の血を吸う際、蚊の体内から犬の皮膚の下に感染源となる幼虫(ミクロフィラリア)が侵入します。犬の体内に入った幼虫は感染後しばらくは皮膚の下や脂肪内を移動しますが、やがて犬の血管内に入り最終的には心臓に寄生します。心臓や肺動脈などの血管内に入ってしまったフィラリアは予防薬では駆除できません。 

 幼虫(ミクロフィラリア)は犬の皮膚の下や筋肉、脂肪などで生息しながら脱皮を繰り返し、2カ月ほどで成長し成虫になります。成虫となったフィラリアはオスとメスが揃うと幼虫を産むようになり、感染から約7~8カ月後には末梢血管中にもミクロフィラリアが出現します。

 成虫になる前にミクロフィラリアを駆除することで、フィラリア症への感染を防ぐことができます。

現在では月に1回のお薬の投与を行うことで感染を阻止することができます。

予防のタイミングは?

フィラリアの予防薬の投与タイミングは、蚊の活動期間に合わせて定期的に投与します。特に蚊がいなくなってから1か月後の最後の投与まで忘れずに続けることが重要です。

当院では5月上旬から開始し、12月上旬の最終投薬を推奨しております

ノミ・マダニ予防

 ノミは高いジャンプ力と驚異の繁殖力を持ち、ノミとって過ごしやすい気温と湿度であれば、2週間程度で卵から成長し爆発的に増殖します。犬猫に限らず人にも寄生し吸血し、その唾液に反応して、ノミアレルギー性皮膚炎を引き起こすこともあります。また、痒みや貧血、細菌や寄生虫などの病原体を媒介します。

 マダニの中でも代表的なものはフタトゲチマダニで、吸血前は3㎜程度ですが、吸血後には1㎝程のできもののようになります。鋭い口器で皮膚を切り裂き、数週間吸血します。吸血前は3㎜ほどの大きさですが、吸血すると25㎜ほどになります。犬ではバベシアや犬猫に限らず人へもSFTS(重症熱性血小板減少症候群)などの感染症を引き起こす原因となります。

 ノミ・マダニは定期的な予防薬の投与により、感染症などを防ぐことができます。予防薬には3種類あり飼い主様の生活環境や、わんちゃんの好みに合わせてお選びいただけます。

  • フレーバー錠(フレーバー付きのお薬タイプ、粒が小さい)
  • チュアブル(おやつタイプ)
  • スポットタイプ(お薬を飲めない子に)

予防期間は生活環境によっても異なりますので、どのタイプがいいのかわからない場合はご相談ください。

マダニがついてしまった場合は、無理に取らずにそのまま病院へご相談ください

 気温が暖かくなってくると、本格的に予防のシーズンですね。病院内も混み合いますので、ご予約をしてご来院いただくと待ち時間が短くご案内ができるかと思います。しっかりと対策をして、わんちゃん・ねこちゃんと健康で楽しく過ごしたいですね!